かんばん方式

トヨタのかんばん方式は簡単には真似することの出来ないとても難しい敷居の高い管理技術の1つです。
かんばんという現品カードを発行して現場と現場の間のリードタイムと在庫を管理し、ひっぱり方式で業務の流れをスムーズにしようとする複合技術です。
ただかんばんを実現する為には、本当に大変この上ない目標値が異常に高い所に置かれています。
例えば在庫数を最小限にする(ジャストインタイム)という目的のためにかんばん発行数は決定されます。
お陰でかんばん納入先で不良が発生すると変わりに使える在庫がなく(少なく)必ず大騒ぎとなります。
また作り置き禁止の為にかんばんを利用するときには、製品が消費され使われはずされたかんばんの数だけ前工程で作成作業にかかることになります。
これは1つの設備やラインで頻繁に段取り替えが発生する要因となります。
中小企業ではまず不可能と思われる羨望の眼差しさえ受けるシングル段取りがここで必要になってくるわけです。
かんばんは外注先に対しても社内と同じワークセンターとして考えかんばんを発行します。
かんばんが回されてくる企業工場では、このかんばん方式の厳しい風に直接さらされている訳です。
かんばんは厳しいことばかりではありません。
製造の平準化を上手くこなしている親企業が発行しているのであれば、実は生産予定がとても立てやすくなり、嬉しいことに隠れてきっちり必要在庫を作っておいても、在庫倒れする心配がありません。
ですが平準化(仕事が多い少ないの波が無い外れかんばん数が安定している流れ)が上手くいかないと、皆で死んだフリしたところで取り返しの付かないほど仕事が忙しくて(あるいは逆に暇すぎて)間に合わないという事態を招くことになりかねません。
いずみはかんばんシミュレータを作成する目的で当初開発設計を始めました。
かんばんの発行は現実的に難しく限りなく不可能に近いのですが、でもそれをパソコンを用いればどの工場内でもかんばんをシミュレーションできるのではないかというものでした。
いずみの基本設計は、このかんばん方式に限りなく強い影響を受けておりますが、あくまで中小企業を対象に作成されたかんたんシステムですのでご安心くださいね。

生産管理